小説あとがき

【十三やのつげ櫛、泣き止んだあと】あとがき

西本願寺時代の梅雨時のエピソード。
まだ二人とも互いの気持ちには気づいていない頃のお話です。

斎藤さんが初めて櫛を千鶴ちゃんに贈る話をいつか、どこかで書かなければと思いつつ、なかなか物語を書くきっかけがなく、先に「ちんちろりん」の話がふと心に浮かんで、十三やのつげ櫛の後半から書き始めました。

お金にまつわる、千鶴ちゃんの金銭に執着のない様子は私のなかの薄桜鬼の千鶴ちゃん全編に通じるイメージです。斎藤さんと似通った価値観で、二人が惹かれ合うのもこういった部分で馬が合うのではと思います。

斎藤さんが千鶴ちゃんに贈った櫛は二個あって。今までシリーズの中のエピソードで
何度か言及しています。

つげ櫛(互いに恋心の自覚のない屯所時代)
漆ぬりの櫛(告白後、結婚する頃まで)

この二つは千鶴ちゃんの宝物で、生涯大切に持ち続ける品物。あまり物質的でない千鶴ちゃんが、こだわるのは斎藤さんからの贈り物だからかもしれません。女性に櫛を贈るのは特別な意味があるという説がありますが、私の書いている話の中で、送り主の斎藤さんは、あまり強くそういった事柄を意識している様子はありません。

でも受け取った千鶴ちゃんが喜んでいる。斎藤さんが千鶴ちゃんへの気持ちを自覚するのは、千鶴ちゃんが両手放しで自分に愛情を注いでいる事に気づいてからのような気もします。けど、実際ゲームではどうなんでしょうね。真改は甘さ控えめで、Vita版の方が付録エピソードに沢山、斎藤さんが千鶴ちゃんを意識する場面が描かれれていたような。見取り稽古のエピソードのようなストーリーが私は大好きです。

今回は総司君が間者仕事をする斎藤さんをどう見ていたのか。ずっと腑に落ちない部分を描けて良かったです。(すみません、エピソードは私の勝手な解釈です)

いつか漆の櫛のエピソードも書いてみたいです。

読んでくださって、どうもありがとうございます。