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 【浜千鳥】短編あとがき

皆さま、こんにちは。日が伸びて、明るくなってきました。お元気にお過ごしでしょうか。

明暁シリーズの番外編「浜千鳥」をアップしました。最終話「薄桜の国」から一年後の夏のエピソードです。明治十五年。西南の戦役から五年が経過しています。以下小説の設定です。

斎藤さんは三十七歳、千鶴ちゃんは三十二歳。二人とも男盛り女ざかり。この年の二月に待望の長女が誕生しています。名前は「千桜」と書いて「ちはる」と読みます。春先に小米桜が咲き始めていたことにちなんで、父親の斎藤さんが命名しました。末子の千桜を斎藤さんは嘗め回すように可愛がっています。

長男の豊誠は数え十歳。既に西海九国に招かれ、風間から直々に頭領としての帝王学を学んでいます。西国との交流をいつか書きたいと思いプロットを練っています。明暁シリーズも五十篇と話数が増えてしまっているため、風間さんと斎藤さんの長男が絡む物語は別に編むほうがいいかなと思っています。鬼世界の話になるので、新しいシリーズになりそう。

タイトルの「浜千鳥」は冬の季語。(夏のイメージとは程遠いのが申し訳ない)斎藤さんが歌う節は狂言の「千鳥」、私はこの「ちりちりー」の節回しが大好き。愉快な気分になります。大好きな演目。

薄桜鬼をプレイしていて、斎藤さんが余りみせない一面がいつも気になります。例えば、斎藤さんは笑い声をたてるのか、大声をあげるのか、爆笑する時はあるのかなど。普段から寡黙で物静かなイメージなので笑うときも静かに笑っていそうだなと勝手に想像しています。斎藤さんの笑い方については以前、奇譚拾遺集「八方睨みの猫」で書きました。

そして、「歌う斎藤一」が果たして存在するのかと今回は考えてみました。今回のエピソードで千鶴ちゃんは斎藤さんと知り合って連れ添い幾星霜、その間一度も斎藤さんが「歌う」姿をみたことはないし、歌声を聞いたこともない。さぞや新鮮な驚きに満ちていたことだろうと思います。「ちりちりー」は謡う感じに近いかもしれません。